[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1955年(昭和30年)東京大学-数学(解析II)[2]

2022.01.12記

[2] 直交座標に関し,四点  {\rm O}(0,0) {\rm A}(1,0) {\rm
B}(1,1) {\rm C}(0,1) を頂点とする正方形がある. x\gt 0 y\gt
0 xy =2 となるように二点  {\rm P}(x,0) {\rm Q}(0,y)
をとるとき, \triangle\rm OPQ と正方形  \rm OABC との共通部分の面積の最大値を求めよ.

2022.01.12記

[略解] 共通部分の面積を S(x) とする.

(i) 0\lt x\leqq 1 のとき:
共通部分は\rm C,O,P および \left(1,\dfrac{2-2x}{x^2}\right) からなる台形だから、その面積は
S(x)=\dfrac{x(4-x)}{4}
となり,これは 0\lt x\leqq 1 で単調増加

(ii) 1\leqq x\leqq 2 のとき:
共通部分は\rm C,O,A\left(1,\dfrac{2-2x}{x^2}\right)\left(\dfrac{2x-x^2}{2},1\right) からなる台形だから、その面積は
S(x)=1-\dfrac{1}{4}\left(x-2+\dfrac{2}{x}\right)^2
x=\sqrt{2} で最小値 2\sqrt{2}-2 をとる.

(iii) 2\leqq x のとき
y=\dfrac{2}{x} に対し
S(x)=\dfrac{y(4-y)}{4}
となり,これは 0\lt y\leqq 1 で単調増加であるから,
2\leqq xに対して単調減少となる.

以上から,S(x)x=\sqrt{2} で最小値 2\sqrt{2}-2 をとる.

直線\rm PQ の包絡線は xy=\dfrac{1}{2} であり,\rm Bxy\gt \dfrac{1}{2} の範囲にあるので,必ず \rm O,B は直線 \rm PQ に対して反対側にある.

ちなみに直線 \rm PQ とその包絡線の接点は \left(\dfrac{x}{2},\dfrac{y}{2}\right) である.