[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1963年(昭和38年)東京大学-数学(理科)[5]

2022.02.19記

[5] 一辺の長さ a の正方形 \rm ABCD の内部の動点 \rm P で直交する折線 \rm TPU がある(図参照).\rm PT は辺 \rm AD\rm Q で交わり,\angle\rm AQT45^{\circ} にたもたれている.正方形 \rm ABCD の面積を二等分しつつ折線 \rm TPU がうごくとき,線分 \rm PQ の通過する部分の面積を求めよ.

[zu]

2022.02.19記

[解答]
半直線 \rm PU と正方形の交点を \rm R とする.
\rm R が辺 \rm AB\rm Bは除く)上にあるとき,四辺形 \rm AQPR は三角形 \rm ADB に含まれるので,折れ線は正方形の面積を2等分しない.

よって \rm R は辺 \rm BC 上にある.

{\rm C}(0,0){\rm B}(a,0){\rm A}(a,a){\rm D}(0,a){\rm P}(x,y) とおくと,
{\rm Q}(a+x-y,a){\rm R}(x+y,0),であるから,
五辺形 {\rm QDCRP} の面積は,\rm P を通る縦線によって長方形と2つの直角2等辺三角形に分割することにより
ax+\dfrac{y^2+(a-y)^2}{2}
となるので,これが正方形の面積の半分となる条件は
ax+\dfrac{y^2+(a-y)^2}{2}=\dfrac{a^2}{2}
つまり,点 \rm P の軌跡は
x=-\dfrac{1}{a}y(y-a)
となる.この放物線の原点における接線が対角線 \rm AC となることに注意すると,線分 \rm PQ の通過する部分は,放物線と、\rm AD\rm AC で囲まれる部分となり,その面積は
\dfrac{a^2}{2}-\dfrac{1}{6a}\cdot a^3=\dfrac{a^2}{3}
となる.

河合塾72年は五辺形 {\rm QDCRP} の面積を2つの台形に分割しているが、これは少々筋が悪い。