[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1960年(昭和35年)東京大学-数学(数学III)[2]

2020.10.13記

[2] 水平におかれた机に,直角をはさむ二辺の長さがそれぞれ9 cm,12 cm であるような直角三角形の穴をあけ,この穴に半径5 cm の球をのせるとき,この球の机の表面より上にある部分の体積を求めよ.

2020.10.13記

[2] 直角3角形の残りの1辺の長さは15であり,その直角三角形の内接円の半径は 3cm となる.よって半径 5cm の球を中心から距離 4cm の平面で切断したときの大きい方の体積を求めれば良く,\displaystyle\pi\int_{-5}^4 (5^2-x^2)dx=162\pi(\mbox{cm}^3)

球帽(球冠)の体積を利用すると次のようになる.

(大人の解答)まず机の表面よりも上にある部分の割合は \dfrac{9}{10} であるから,球帽の体積は球の体積 \dfrac{500}{3}\pi\dfrac{9}{10}150\pi となり,円錐の体積 \dfrac{1}{3}\pi\cdot 3^2\cdot 4=12\pi を加えて求める体積は 162\pi(\mbox{cm}^3)

球の表面積は幅に比例する,というのは良く知られた事実で,

[検討中]
シュテルン=ゲルラッハの実験について考察するときに.磁気双極子モーメントの方向の向きが空間に一様に分布するとき、古典論では z 軸方向の正射影は一様分布となるが、実際は2つに分かれるので連続的に値をとらない、という話をするときに登場する、したような気がする.いや,多くの説明だと「空間に一様に分布」が「空間で連続に分布」となっているので、自分が教えてもらったときに、そのような議論をしただけで一般的ではないかも知れない。