[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1960年(昭和35年)東京大学-数学(数学I幾何)[1]

2020.10.13記

[1] 三角形 \rm ABC の外心を \rm O とし,三辺 \rm BC\rm CA\rm AB に関して \rm O と対称な三点をそれぞれ \rm A′,B′,C′ とする
とき,三角形 \rm A′B′C′ は三角形 \rm ABC に合同であることを証明せよ.

2020.10.13記

[1] \rm BC\rm CA\rm AB の中点をそれぞれ \rm D,E,F とすると,中点連結定理により,\triangle\rm DEF\triangle\rm ABC\dfrac{1}{2} 倍に拡大したものである.

また,\triangle\rm A'B'C'\triangle\rm DEF\rm O 中心に2倍に拡大したものである.

よって,\triangle\rm A'B'C'\triangle\rm ABC' に合同である.

なお、\triangle\rm DEF\triangle\rm ABC\triangle\rm ABC の重心 \rm G 中心に -\dfrac{1}{2} 倍(負号は逆向きに)に拡大したものであるから,これと\rm O 中心に2倍に拡大を合成すると,\rm GO1:3 に外分する点 \rm Q 中心に -1 倍拡大する変換となる.つまり \triangle\rm A'B'C'\triangle\rm ABC'\rm Q 中心に -1 倍拡大したものとなる.

ここで,オイラー線上で \rm G\triangle\rm ABC の垂心を \rm H とすると \rm OG1:2 に内分する点となるので,これから,\rm Q\rm OH の中点であることがわかる.つまり \rm Q は,\triangle\rm ABC の九点円の中心である.