[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1964年(昭和39年)東京大学-数学(理科)[5]

2022.04.23記

[5] 曲線 xy=1 の第1象限の部分に定点 {\rm P}(a,b) があり,同じ曲線の第3象限の部分に動点 {\rm Q} がある.

(1) 線分 {\rm QP} の長さの最小値を a で表わせ.

(2) 線分 {\rm QP} の長さが最小になるとき, {\rm QP}x 軸の正の方向と 30^{\circ} の角をなすような a の値を求めよ.

2022.04.23記

[解答]
(1) {\rm P}(a,1/a)(a\gt 0){\rm Q}(x,1/x) とおき
f(x)={\rm QP}^2=(x-a)^2+\left(\dfrac{1}{x}-\dfrac{1}{a}\right)^2=(x-a)^2\left(1+\dfrac{1}{a^2x^2}\right)
とおくと,
f'(x)=\dfrac{2(x-a)}{x^3}\left(x^3+\dfrac{1}{a}\right)
であるから,x\lt 0 における増減表は

x (-\infty) \cdots -a^{-1/3} \cdots (0)
f' - 0 +
f \searrow 極小 \nearrow

となり,f(x)x=-a^{-1/3} で極小かつ最小となる.よって最小値は (a^{2/3}+a^{-2/3})^{3/2}

(2) \rm QP の傾きは \dfrac{1/x-1/a}{x-a}=-\dfrac{1}{ax}=a^{-2/3} であり,これが \dfrac{1}{\sqrt{3}} に等しいので a=27^{1/4}