[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2022年(令和4年)京都大学-数学(理系)[4]

2022.02.27記

[4] 四面体 {\rm OABC}{\rm OA}=4{\rm OB=AB=BC}=3{\rm OC=AC}=2\sqrt{3} を満たしているとする .{\rm P} を辺 {\rm BC} 上の点とし,\triangle {\rm OAP} の重心を {\rm G} とする.このとき,次の各問に答えよ.

(1) \vec{\rm PG}\perp \vec{\rm OA} を示せ.

(2) {\rm P}が 辺 {\rm BC} 上を動くとき,{\rm PG} の最小値を求めよ.


2022.02.27記
\rm OA の中点を \rm M とすると,四面体は面 \rm MBC に関して面対称である.

[解答]
\triangle{\rm ABC}\equiv \triangle{\rm OBC}(3辺相等)
により \angle{\rm ABC}\equiv \angle{\rm OBC} である.

これと,\rm AB=AB\rm BP=BP により
\triangle{\rm PAB}\equiv \triangle{\rm PAB}(2辺夾角相等)
となり,\rm PA=PO となる.

よって,\triangle{\rm POA}\rm PA=PO二等辺三角形であるから,
中線(の一部)\rm PG と底辺 \rm OA は垂直である.

(2) \rm OA の中点を \rm M とすると,{\rm PG}=\dfrac{2}{3}{\rm PM}=\dfrac{2}{3}\sqrt{{\rm PA}^2-{\rm AM}^2} であるから,\rm PA の最小値をまず求める.

\rm A から \rm BC へ下した垂線の足を \rm H とおくと,簡単な計算により,
{\rm AH}=2\sqrt{2}{\rm BH}=1{\rm HC}=2
が得られる.

よって \rm H は線分 \rm BC 上の点であるから,\rm PA の最小値は \rm P=H のときで 2\sqrt{2} となる.よって \rm PG の最小値は [tex\dfrac{4}{3}] である.

\rm A から \rm BC へ下した垂線の足 \rm H が線分 \rm BC 上の点であること」に関する論証があるのとないのとで、差がかなりつくだろう。これは \angle\rm B\angle\rm C がともに鋭角であることから論証しても良い。