[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1968年(昭和43年)東京大学-数学(文科)[1]

2020.09.29記

[1] 1辺の長さが1の正方形 \rm ABCD の内部に点 \rm P をとって,\angle\rm APB\angle\rm BPC\angle\rm CPD\angle\rm DPA がいずれも \dfrac{3}{4}\pi をこえないようにするとき,点 \rm P のうごきうる範囲の面積を求めよ.ただし, \rm C\rm A ととなりあわない頂点とする.

2024.02.23記

[解答]
正方形 \rm ABCD の外接円を C とし,正方形 \rm ABCD の外側にあるC の内部を D とすると D は4つの弓形(から境界を除いたもの)からなる.

この4つの弓形を,それぞれの弦である正方形の辺に対し折り返した図形(これも4つの弓形からなる)を E とするとき,点 \rm P のうごきうる範囲は正方形 \rm ABCD から E を除いた部分となる.

ここで E をなす4つの弓形は,いずれも正方形の2本の対角線に接するので互いに重なりあわないことに注意すると,求める面積は
1-\left\{\pi\left(\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right)^2-1\right\}=2-\dfrac{\pi}{2}
となる.