[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1968年(昭和43年)東京大学-数学(理科)[5]

2020.09.29記

[5] 整数を係数とする次数 3 の多項式 P(x) で,次の条件を満たすものを求めよ.

(1) P(x) のグラフは原点に関して対称である.

(2) P(x)=0 は重根をもたない.

(3) P(x) は極大値も極小値ももたない.

(4) P\Bigl(\dfrac{1}{2}\Bigr) は整数である.

(5)  0\lt P(1)\lt 6 である.

2024.02.23記

[解答]
(1) により P(x)=ax^3+bxとおくことができる.

(2) により b\neq 0 である.

このとき,P'(x)=3ax^2+b であるから,(3) により ab\gt 0 である.

(4) により 8P\Bigl(\dfrac{1}{2}\Bigr)a+4b は8の倍数だから a は4の倍数である.

(5) により  0\lt a+b\lt 6 であり,ab\gt 0 から a,b\gt 0 で,a は4の倍数から a=4b=1 となる.

よって P(x)=4x^3+x である.