[1] と を正の整数とし, を次数が 以上の整式とする.整式 の 次以下の項の係数がすべて整数ならば, の 次以下の項の係数は,すべて整数であることを示せ.ただし,定数項については,項それ自身を係数とみなす.
本問のテーマ
整数係数多項式環
2020.08.03記
整数係数多項式環
で考えて,整数係数の 次以下の多項式の集合を とする.
の逆元がにあれば良く、等比数列の和の公式を利用して,積の逆元を具体的に与えてやれば良い.
[大人の解答]
で考える. 次以下の整数係数多項式環 の元 の積の逆元は であるから, の積の逆元は となる.よって
となる.
これをアレンジすると次のようになる.
[解答]
次以下の項の係数がすべて整数であるような整式の集合を とする.このとき,整式の計算規則(筆算)から
ならば が成立する.
とおくと, であるから,
が成立する.よって が成立する.つまり の 次以下の項の係数は,すべて整数である.