[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1979年(昭和54年)東京大学-数学(理科)[4]

2023.08.19記

[4] a を正の整数とし,数列 \{u_n\} を次のように定める.
u_1=2u_2=a^2+2
u_n=au_{n-2}-u_{n-1}n=345,…
このとき,数列 \{u_n\} の項に 4 の倍数が現れないために,a のみたすべき必要十分条件を求めよ.

2023.08.19記

[解答]
以下 \mod 4 で考える.

(1) a\equiv 0 のとき
u_1\equiv 2u_2\equiv 2
u_n\equiv -u_{n-1}\equiv 4-u_{n-1}n=345,…
であるから,帰納的に全ての自然数に対して u_n\equiv 2 となり条件をみたす.

(2) a\equiv 1 のとき
u_1\equiv 2u_2\equiv 3
u_n\equiv u_{n-2}-u_{n-1}n=345,…
であるから,u_3\equiv -1\equiv 3u_4\equiv 0 となり不適.

(3) a\equiv 2 のとき
u_1\equiv 2u_2\equiv 2
u_n\equiv 2u_{n-2}-u_{n-1}n=345,…
であるから,帰納的に全ての自然数に対して u_n は偶数であり,よって
u_n\equiv -u_{n-1}n=345,…
となり,(1)と同じく,帰納的に全ての自然数に対して u_n\equiv 2 となり条件をみたす.

(3) a\equiv 3 のとき
u_1\equiv 2u_2\equiv 3
u_n\equiv 3u_{n-2}-u_{n-1}=-(u_{n-2}+u_{n-1})n=345,…
であるから,u_3\equiv 3u_4\equiv 2u_5\equiv 3 となる.与えられた漸化式は隣接3項間漸化式であるから,連続する2つの値が一致すればそれ以降周期的に繰り返すので,
u_n\mod 42,3,3 を繰り返し,条件をみたす.

以上から求める条件は「a を4で割った余りが1でないこと」となる.