2023.07.26記
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このとき,以下を示せ.
(1) すべての有理数 に対して である.
(2) 実数 について, ならば である.
(3) すべての実数 に対して である.
2023.07.26記
有理数の稠密性
コーシーの関数方程式
,
(がない)で の連続性を仮定しない場合(少なくとも1点において が連続であれば となる)は(選択公理を認めれば) 以外にも解が存在することが知られている.もちろん, を有理数に限れば となるのだが,無理数において となるような が存在することがハメル基底を利用して示される.
なお、(1) を示すにはは不要である.
(1) より である.
自然数 に対して
であるから,これと から帰納的に である.
よって,自然数 に対して
から となり,ここまでで任意の整数 に対して であることが示された.
(i) を使わない場合
次に有理数 (は整数)に対して
は帰納的に を 回足したものだから
となり,
(i) を使う場合
次に有理数 (は整数)に対して
となり,
以上からすべての有理数 に対して である.
(2) より とおくと であるから,
となり題意は証明された.
(3) のとき だから
である.よって(2)は ならば となる.
となる実数 が存在したと仮定する.
(a) となった場合
をみたす有理数 が存在する.
このとき から となり,
とから, となり矛盾する.
(b) となった場合
をみたす有理数 が存在する.
このとき から となり,
とから, となり矛盾する.
以上から, となる実数 は存在せず,よって題意は示された.
ここで,有理数の稠密性である
「 ならば をみたす有理数 が存在する」
ことは認めたが,これを示す場合は次のようにすれば良い
より大きな自然数 をとると
であり,実数の長さが1より大きい区間には(両端ではなく内部に)整数が必ず存在するので, をみたす整数 が存在する.
よって が成立するので, をみたす有理数 が存在する.