[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1989年(昭和64年)東京大学-数学(理科)[6]

[6] 3個の赤玉と n 個の白玉を無作為に環状に並べるものとする.このとき白玉が連続して k+1 個以上並んだ箇所が現れない確率を求めよ.ただし \dfrac{n}{3}\leqq k\lt \dfrac{n}{2} とする.

2021.01.23記
「場合の数」のときは、回転して重なるものを同一視しなければならないので面倒だが,
確率の場合は回転して重なるものも別と考えることができるので話は単純である.

[解答]
特定の赤玉を基準とし,そこから,時計回りに白玉がx個,赤玉,白玉が y 個,赤玉,白玉が z
0\leqq x,y,z\leqq k)の順に並ぶとする.

このとき,x+y+z=n の整数解のうち,0\leqq x,y,z\leqq k
(但し \dfrac{n}{3}\leqq k\leqq\dfrac{n}{2})をみたすものの割合を求めれば良いが,その個数を求め,x+y+z=n の整数解の個数 {}_n\mbox{C}_2 個で割れば良い.

ここで,x,y,z のうち最小のものは n-2k 以上でなければならないので,
このとき,x+y+z=n の整数解のうち,n-2k\leqq x,y,z\leqq k をみたすものの個数を求める.

X=k-x,Y=k-y,Z=k-z とおくと,
X+Y+Z=3k-n,0\leqq X,Y,Z\leqq 3k-n をみたすものの個数を求めれば良く,これは{}_{3k-n+2}\mbox{C}_2 である.

よって求める確率は \dfrac{{}_{3k-n+2}\mbox{C}_2}{{}_{n+2}\mbox{C}_2}=\dfrac{(3k-n+2)(3k+n-1)}{(n+2)(n+1)}

2021.06.11記

懐しい資料が見つかった

確率の問題はすべて余事象で考えるというワンパターンにとらわれている者はほとんど全滅.上記の解答例は答案に複数あった,上手な解答である.格子点に翻訳して数を数える方法が多数派で,かつ安全な方法のようである.

(注) 解答例は持ってない