[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2023年(令和5年)東京大学-数学(理科)[2]

2023.11.22記

[2] 黒玉3個,赤玉4個,白玉5個が入っている袋から玉を1個ずつ取り出し,取り出した玉を順に横一列に12個すべて並べる.ただし,袋から個々の玉が取り出される確率は等しいものとする.

(1) どの赤玉も隣り合わない確率 p を求めよ.

(2) どの赤玉も隣り合わないとき,どの黒玉も隣り合わない条件付き確率 q を求めよ.

2023.11.04記
解説書かなくてもいいかな.
mathlog.info

2023.11.23記
東大の最近の確率の問題は,うまい数え方に気がつかないと厳しい.

[解答]
(1) 全並べ方は \dfrac{12!}{3!4!5!} 通りである.

黒白の並べ方は \dfrac{8!}{3!5!} 通りあり,その8個の外と内の9個の場所から赤の入れる4箇所を選んで赤を並べるとどの赤玉も隣り合わず、その場合の数は
\dfrac{8!}{3!5!}\cdot \dfrac{9!}{4!5!}
となる.よって
p=\dfrac{8!}{3!5!}\cdot \dfrac{9!}{4!5!}\cdot\dfrac{3!4!5!}{12!}=\dfrac{8\cdot 7\cdot 6}{10\cdot 11\cdot 12}=\dfrac{14}{55}
である.

(2) 黒白の並べ方は \dfrac{8!}{3!5!}=56 通りある.このうち
(i) 黒が 3 連続するのは6通り
(ii) 黒が 2 個,1 個と分かれるのは 6\times 5=30 通り
(iii) 黒がばらばらに分かれるのは \dfrac{6\times 5\times 4}{3!}=20 通り
である.

(i) の場合,9 個の場所のうち 3 連続の黒の2 つの隙間に赤を必ず入れなければならないので、残り 7 個の場所に 2 個入れる \dfrac{7!}{2!5!}=21 通りが 6 通りそれぞれにあるので合計 126 通り.

(ii) の場合,9 個の場所のうち 2 連続の黒の隙間に赤を必ず入れなければならないので、残り 8 個の場所に 3 個入れる \dfrac{8!}{3!5!}=56 通りが 30 通りそれぞれにあるので合計 1680 通り.

(iii) の場合,9 個の場所に好きに赤を入れれば良いので、\dfrac{9!}{4!5!}=126 通りが 20 通りそれぞれにあるので合計 2520 通り.

以上から,求める条件付き確率は
\dfrac{126+1680+2520}{\dfrac{8!}{3!5!}\cdot \dfrac{9!}{4!5!}}=\dfrac{4326}{7056}=\dfrac{103}{168}
となる.