[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1989年(昭和64年)東京大学-数学(文科)

[1] k\gt 0 とする.xy 平面上の二曲線 y=k(x-x^3),x=k(y-y^3) が第1象限に \alpha\neq\beta なる交点 (\alpha,\beta) をもつような k の範囲を求めよ.

[2] a\gt 0 に対して次の二つの放物線を考える.
 C_1: y=x^2+\dfrac{1}{a^2} \quad C_2:y=-(x-a)^2

(1) C_1,C_2 の両方に接するような直線がつねに 2 本存在することを示せ.

(2) (1)で定まる四つの接点が作る四角形の面積 S(a) の最小値を求めよ.

[3] 虚部が正の複素数の全体を H とする.
すなわち,H=\{z=x+iy\,|\ x,y は実数で y\gt 0 \}とする.以下 zH に属する複素数とする.q を正の実数とし,f(z)=\dfrac{z+1-q}{z+1} とおく.

(1) f(z) もまた H に属することを示せ.

(2) f_1(z)=f(z) と書き,以下 n=2,3,4,\cdots に対して
 f_2(z)=f(f_1(z))f_3(z)=f(f_2(z))\cdotsf_n(z)=f(f_{n-1}(z))\cdots
とおく.このとき,各 n に対して
f_n(z)=\dfrac{r_nz+(1-q)s_n}{s_nz+r_n}, \quad 
{r_n}^2-(1-q){s_n}^2=q^n
が成り立つような z によらない実数 r_n,s_n がとれることを示せ.

[4] 半径 r の円 \rm O のまわりに一辺の長さ a の正三角形 \rm ABC を円 \rm O と同一平面内で次の二条件を満たしながら可能な限り移動させる.

(i) \triangle\rm ABC は円 \rm O の内部と共有点を持たず,円 \rm O の周とただ一点を共有する.

(ii) ベクトル \overrightarrow{\rm AB}\overrightarrow{\rm BC}\overrightarrow{\rm CA}
はそれぞれ一定に保たれる.

このとき,\triangle\rm ABC の通過し得る範囲を図示して,その面積 S を求めよ.さらに,\triangle\rm ABC の面積を T とするとき,r\to0 としたときの極限値 \displaystyle\lim_{r\to0}\dfrac{S}{T} を求めよ.

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