[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2024年(令和6年)九州大学前期-数学III[2]

2024.03.25記

[2] 整式 f(z)=z^6+z^4+z^2+1 について,以下の問いに答えよ.

(1) f(z)=0 をみたすすべての複素数 z に対して,|z|=1 が成り立つことを示せ.

(2) 次の条件をみたす複素数 w をすべて求めよ.

条件:f(z)=0 をみたすすべての複素数 z に対して f(wz)=0 が成り立つ.

2024.03.25記(2024/03/25/100133)

[解答]
(1) f(z)=0 ならば (z^2-1)f(z)=z^8-1=0 が成り立つので |z|=1 が成り立つ.

(2) 6次方程式 f(z)=0 の解は z=\cos\theta+i\sin\theta とおくと,(1)より 8\theta2\pi の整数倍で z\neq \pm1 であるから,
\theta=\dfrac{k}{4}\pik=1,2,3,5,6,7
の6つである.この6個の複素数を同じ6個の複素数に移すような原点中心の回転拡大は,正8角形の連続する3つの頂点がどこに移るかを考えれば恒等変換か180度回転に限ることがわかるので w=1,-1 の2つである.