[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1993年(平成5年)東京大学前期-数学(理科)

2024.01.07記

[1] すべての面が合同な四面体 \mbox{ABCD} がある.頂点 \mbox{A}\mbox{B}\mbox{C} はそれぞれ xyz 軸上の正の部分にあり,辺の長さは \mbox{AB}=2l-1\mbox{BC}=2l\mbox{CA}=2l+1l\gt 2)である.四面体 \mbox{ABCD} の体積を V(l) とするとき,次の極限値を求めよ.
 \displaystyle\lim_{l\to2}\dfrac{V(l)}{\sqrt{l-2}}

[2] 整数からなる数列 \{a_n\} を漸化式
a_1=1a_2=3a_{n+2}=3a_{n+1}-7a_nn=12,…)
によって定める.

(1) a_n が偶数となることと,n3 の倍数となることは同値であることを示せ.

(2) a_n10 の倍数となるための条件を(1)と同様の形式で求めよ.

[3] xy 平面内に次の二つの集合 lm を考える.
 l=\{(-5,y)\,|\,-5\lt y\lt 5\}m=\{(5,y)\,|\,-5\lt y\lt 5\}

lm 上にない 2\mbox{A}\mbox{B} に対し, \mbox{A}\mbox{B}lm と交らない線分又は折れ線で結ぶときの経路の長さの最小値を d(\mbox{A},\mbox{B}) で表す.

2\mbox{P}(-9,-3)\mbox{Q}(9,3) に対し d(\mbox{P},\mbox{R})=d(\mbox{Q},\mbox{R}) となる点 \mbox{R} の軌跡を xy 平面上に図示せよ.

[4] n2 以上の自然数とし f(x)=x^n+px+qpqは実数)の形の n 次関数について積分 I=\dfrac{1}{2}\displaystyle\int_{-1}^{1} f(x)^2\,dx を考える.I を最小にするような (p,q) が唯一組存在することを示し,そのような (p,q)I の最小値を求めよ.

[5] 105 個ならべた列 10110 をある人が繰返し書き写すとする.ただし,この列を S で表し,これの第1回の写しを S_1 で表すとき,第2回目に書き写すときは S_1 を書き写す.S_1の写しを S_2 とするとき,第3回目には S_2 を書き写す.以下同様に続ける.

この人が 01 に写しまちがえる確率は p0\lt p\lt 1)であり,10 に写しまちがえる確率は q0\lt q\lt 1)であるが,それ以外の写しまちがいはないものとする.第 n 回目の写し S_nS に一致する確率を C(n) とするとき,極限値 \displaystyle\lim_{n\to\infty}C(n) を求めよ.

[6] 時刻 t における座標が x=2\cos t+\cos 2ty=\sin 2t で表される xy 平面上の点 \mbox{P} の運動を考える.

(1) \mbox{P} の速さ,すなわち速度ベクトル\left(\dfrac{dx}{dt},\dfrac{dy}{dt}\right) の大きさ,の最大値と最小値を求めよ.

(2) t0\leqq t\lt  2\pi の範囲を動く間に \mbox{P}2 回以上通過する点が唯一つ存在することを示し,その点を通過する各々の時刻での速度ベクトルを求め図示せよ.

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