2024.01.15記
[3] は をみたす実数とする. 空間に原点 と 点 , をとる.
(1) 空間の点 で条件
をみたすものが存在するような の範囲を求めよ.
(2) 点 が(1)の条件をみたして動くとき,内積 の最大値,最小値を の関数と考えてそれぞれ , で表す.このとき,左からの極限
を求めよ.
本問のテーマ
アポロニウスの球
内積と中線定理
内積と中線定理
2020.01.11記
アポロニウスの球
3次元空間上の2点からの距離の比が一定となる点の軌跡はアポロニウスの球(縮退して垂直2等分面になることもある)となるので,(1) は2つのアポロニウスの球の交わりである円(本問の場合は球と平面の交わりの円)となる.球と平面が共有点をもつ条件は
(球の中心と平面の距離)(球の半径)
である.
内積と中線定理
において の中点を とすると…①
が成立する.
から
…②
が得られるが,②①を計算すると中線定理
が得られる.
[解答]
(1) をみたす点 の集合は , を直径とする球面,つまり中心 ,半径 の球面となる.
(1) をみたす点 の集合は , を直径とする球面,つまり中心 ,半径 の球面となる.
同様に をみたす点 の集合は中心 ,半径 の球面となる.
よって,求める条件は,この2つの球面が交わる条件である.
2球の中心間距離は ,半径の差は ,半径の和は であるから,求める条件は
(2) は中心 ,半径
の球と平面 の交わりである円周上にある.
とすると である.
であり, であるから,
となり,求める極限は となる.