[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1996年(平成8年)東京大学前期-数学(理科)

2024.01.14記

[1] xy 平面において,行列 \begin{pmatrix} a & -b \\ b & a\end{pmatrix} で表される1次変換を f とし,点 (1,0) を中心とする半径 \dfrac{1}{3} の円を C とする.f による C の像が直線 x=\dfrac{2}{3} に接し,かつ領域 D=\{(x,y)\,|\,x\gt 0\} に含まれるような (a,b) 全体のなす図形を ab 平面上に図示せよ.

[2] abcd を正の数とする.不等式
\left\{\begin{array}{l}s(1-a)-tb\gt 0 \\-sc+t(1-d)\gt 0\end{array}\right.
を同時に満たす正の数 st があるとき,2 次方程式x^2-(a+d)x+(ad-bc)=0-1\lt x\lt 1 の範囲に異なる 2 つの実数解をもつことを示せ.

[3] 空間内の点 \mbox{O} を中心とする一辺の長さが l の立方体の頂点を \mbox{A}_1\mbox{A}_2,…,\mbox{A}_8とする.また,\mbox{O} を中心とする半径 r の球面を S とする.

(1) S 上のすべての点から \mbox{A}_1\mbox{A}_2,…,\mbox{A}_8 のうち少なくとも1点が見えるための必要十分条件lrで表せ.

(2) S 上のすべての点から \mbox{A}_1\mbox{A}_2,…,\mbox{A}_8 のうち少なくとも 2 点が見えるための必要十分条件lrで表せ.

ただし,S 上の点 \mbox{P} から \mbox{A}_k が見えるとは,\mbox{A}_kS の外側にあり,線分 \mbox{PA}_kS との共有点が \mbox{P} のみであることとする.

[4] 1 つのサイコロを続けて投げて,それによって a_nn=12,…)を以下のように定める.

出た目の数を順に c_1c_2,… とするとき,1\leqq k\leqq n-1 を満たすすべての整数 k に対し c_k\leqq c_n ならば a_n=c_n それ以外のとき a_n=0 とおく.ただし,a_1=c_1 とする.

(1) a_n の期待値を E(n) とするとき,\displaystyle\lim_{n\to\infty} E(n)を求めよ.

(2) a_1a_2,…,a_n のうち 2 に等しいものの個数の期待値を N(n) とするとき,\displaystyle\lim_{n\to\infty} N(n) を求めよ.

[5] xyz 空間内の円柱 x^2+y^2=R^2R\gt 0 を側面とする容器に,水面が z=0 と一致するように z\leqq0 の部分に水がはいっている.z\geqq 0 に対して定義された連続な関数 r(z)
r(0)=00\leqq r(z)\lt R
をみたすものを考える.xz 平面内の不等式
0\leqq x \leqq r(z)z\geqq 0
で表される領域を z 軸のまわりに 1 回転してできる回転体を毎秒 1 の速さで下に動かすと,t 秒後には水面が z=f(t) に上昇するという.

t\geqq 0 に対し,f(t)=e^t-t-1 であるとき,関数 r(z) を決定せよ.

[6] \alpha\beta を正の数とし,xy 平面において,だ円 C:\dfrac{x^2}{\alpha}+\dfrac{{(y-\sqrt\beta)}^2}{\beta}=1 と領域 D=\{(x,y)\,|\,x^2+y^2\leqq1\} を考える.

(1) CD に含まれるような点 (\alpha,\beta) の範囲を求め,\alpha\beta 平面上に図示せよ.

(2) 点 (\alpha.\beta) が(1)で求めた範囲を動くとき,だ円 C の面積の最大値を求めよ.

1996年(平成8年)東京大学前期-数学(理科)[1] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1996年(平成8年)東京大学前期-数学(理科)[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1996年(平成8年)東京大学前期-数学(理科)[3] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1996年(平成8年)東京大学前期-数学(理科)[4] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1996年(平成8年)東京大学前期-数学(理科)[5] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
1996年(平成8年)東京大学前期-数学(理科)[6] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR