C
ある国全体の時点tにおける生産量を ,資本量を ,投資量を とする.ここで, は 以上の実数であり, は正の実数を値にもつ微分可能な関数とする.これらの関数の間には次の関係式が成立しているとする.
……⑥
……⑦
ここで, は を満たす定数で,貯蓄率とよばれる.生産量 は国民所得となり,その一部 が貯蓄にまわされる.ここでは,貯蓄がすべて投資に用いられると仮定し,このことから式⑦が導かれる.一方,資本量の時間変化は
……⑧
で表されるとする.ここで, は を満たす定数で減価償却率とよばれる.以下, における資本量は で与えられるとする.
(C-1) 式⑥,⑦,⑧より, を と を用いて表せ.
(C-2) 上の問で求めた関係式に第2問Aと同様の方法を適用して,生産量 を の関数として を用いて表せ.
生産量 のうち,貯蓄される分を除いた が消費に費やされる. とおく.
(C-3) 消費量 が についての単調増加関数,単調減少関数,定数関数になるための の条件を,それぞれ求めよ.
(C-4) すべての においてつねに を満たす実数 の中で最大の値を,最低消費量とよぶ.(C-3)のそれぞれの場合について最低消費量を求めよ.
(C-5) 与えられた減価償却率 に対して,最低消費量を最大にするような貯蓄率 を求めよ.
2021.02.09記
(C-1)
(C-2) ,, と置き換えて
(C-3) であるから,
単調増加 ,定数関数 ,単調減少
(C-4) のとき, より,
のとき, より,
のとき, より
(C-5) であるから,
の頂点 を含むかどうかで場合分けして