[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2017年(平成29年)東京大学-数学(文科)[1]

本問のテーマ
放物線の相似

2021.01.26記

[解答]
y=s(x-1)^2y=-x^2+t^2 は相似で,相似の中心は頂点を1:s に内分する点 \Bigl(\dfrac{s}{1+s},\dfrac{t^2}{1+s}\Bigr) であり,これが接点である.

よって \dfrac{t^2}{1+s}=s\Bigl(\dfrac{-1}{1+s}\Bigr)^2,つまり t^2=\dfrac{s}{1+s},つまり s=\dfrac{t^2}{1-t^2} となる.

P=\dfrac{s}{3}Q=\dfrac{2t^3}{3} であるから,\dfrac{Q}{P}=\dfrac{2t^3}{s}=2(t-t^3)t=\dfrac{1}{\sqrt{3}} で最大値 =\dfrac{4\sqrt{3}}{9} をとる.

t を消去する場合は \dfrac{Q^2}{P^2}=\dfrac{4s}{(1+s)^3}微分して \dfrac{1-2s}{(1+s)^4} から s=\dfrac{1}{2} で符号が正から負に変わるので最大となることがわかるが,これは理系の範囲.