[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2019年(平成31年)東京大学-数学(理科)[3]

2019.02.26記

[3] 座標空間内に5点 \mbox{A}(2, \, 0, \, 0)\mbox{B}(0, \, 2, \, 0)\mbox{C}(-2, \, 0, \, 0)\mbox{D}(0, \, -2, \, 0)\mbox{E}(0, \, 0, \, -2) を考える.線分 \mbox{AB} の中点 \mbox{M} と線分 \mbox{AD} の中点 \mbox{N} を通り,直線 \mbox{AE} に平行な平面を \alpha とする.さらに,p2\lt p\lt 4 をみたす実数とし,点 \mbox{P}(p, \, 0, \, 2) を考える.

(1) 八面体 \mbox{PABCDE} の平面 y=0 による切り口および,平面 \alpha の平面 y=0 による切り口を同一平面上に図示せよ.

(2) 八面体 \mbox{PABCDE} の平面 \alpha による切り口が八角形となる p の範囲を求めよ.

(3) 実数 p が(2)で定まる範囲にあるとする.八面体 \mbox{PABCDE}の平面 \alpha による切り口のうち y\geqq0z\geqq0 の部分を点 (x, \, y, \, z) が動くとき,座標平面上で点 (y, \, z) が動く範囲の面積を求めよ.

2019.03.04記
y=0xz 平面で、\rm A,C,E,P の4点が xz 平面上にあり、\rm By\gt 0 の範囲にあり、Dy\lt 0 の範囲にあって xz 平面に正射影すると原点になるということに着目することが第一歩。このことから、八面体の切り口は四角形 \rm AECP となる。

[解答]
(1) 平面 \alpha{\rm M}(1,1,0),{\rm N}(1,-1,0) を通り (1,0,1) に平行な平面だから,xz 平面では (1,0) を通り (1,1) に平行な直線 z=x-1 となるので,四角形 \rm AECPz=x-1 を図示すれば良い.\rm Pz=x-1 との位置関係によって2つまたは3つの図ができあがる(\rm Pz=x-1 にある場合を独立させるかどうかで).

(2) \rm B,Dxz 平面に正射影した点が {\rm O}(0,0) であり,四角形 \rm AECPz=x-1 は2点で必ず交わるので,求める必要十分条件は四角形 \rm AECPz=x-1 が頂点以外の2辺で交わり,かつ \rm OA,OE,OC,OP のうちちょうど3つが z=x-1 と頂点以外で交わることである(例えば \rm OAz=x-1 が交わることと \rm BA,DAz=x-1 が交わることは同値であり,2倍にカウントされる).そしてそれは、\rm Pz=x-1 に対して \rm A,E と同じ側にあることであり,3\lt p\lt 4 が求める必要十分条件である.

(3) xz 平面上で z=x-1\rm CP,OP,OA の交点を z 軸に正射影した点の x 座標はそれぞれ (p+2)z=2(x+2)z=x-1 の交点の z 座標,pz=2xz=x-1 の交点の z 座標,Oz 座標であるから \dfrac{6}{p},\dfrac{2}{p-2},0 である.ここで \rm BPyz 平面に正射影した線分が y+z=2,y\geq 0, z\geq 0 であることに注意して \alpha\rm CP,BP,BA の交点を yz 平面に正射影した点を求めると (y,z)=\left(0,\dfrac{6}{p}\right),\left(2-\dfrac{2}{p-2},\dfrac{2}{p-2}\right),(1,0) となるので求める面積は (y,z)=\left(0,\dfrac{6}{p}\right),\left(\dfrac{2p-6}{p-2},\dfrac{2}{p-2}\right),(1,0),(0,0) の4点で囲まれる四角形の面積であり
\dfrac{1}{2}\left\{\dfrac{6}{p}\cdot\dfrac{2p-6}{p-2}+1\cdot\dfrac{2}{p-2}\right\}=\dfrac{7p-18}{p^2-2}
となる.