[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1985年(昭和60年)東京大学-数学(理科)

2023.08.26記

[1] a\geqq1 とする.xy 平面において,不等式 0\leqq x\leqq \dfrac{\pi}{2}1\leqq y\leqq a\sin x によって定められる領域の面積を S_1,不等式 0\leqq x\leqq \dfrac{\pi}{2}0\leqq y\leqq a\sin x0\leqq y\leqq 1 によって定められる領域の面積を S_2 とする.S_2-S_1 を最大にするような a の値と,S_2-S_1 の最大値を求めよ.

[2] xy 平面において,\mbox{O} を原点,\mbox{A} を定点 (1,0) とする.また,\mbox{P}\mbox{Q} は円周 x^2+y^2=1 の上を動く 2 点であって,線分 \mbox{OA} から正の向きにまわって線分 \mbox{OP} にいたる角と,線分 \mbox{OP} から正の向きにまわって線分 \mbox{OQ} にいたる角が等しいという関係が成り立っているものとする.

\mbox{P} を通り x 軸に垂直な直線と x 軸との交点を \mbox{R},点 \mbox{Q} を通り x 軸に垂直な直線と x 軸との交点を \mbox{S} とする.実数 l\geqq 0 を与えたとき,線分 \mbox{RS} の長さが l と等しくなるような点 \mbox{P}\mbox{Q} の位置は何通りあるか.

[3] t を正の数とする.xyz 空間において,点 (t,t,0)\mbox{P} とし,x 軸を含み点 (t,t,1) を通る平面に関して \mbox{P} と対称な点を \mbox{Q}y 軸を含み点 (t,t,1) を通る平面に関して \mbox{P} と対称な点を \mbox{R} とする.また,原点を \mbox{O} とする.4点 \mbox{O}\mbox{P}\mbox{Q}\mbox{R} を頂点とする 4 面体の体積を求めよ.

[4] abを実数とし,A=\begin{pmatrix} a & 0 \\ a-b & b \end{pmatrix} とおく.

(1) 行列 A^nn=12,……)の表す一次変換による点 \mbox{P}\left(\dfrac{1}{2},0\right)
\mbox{Q}\left(\dfrac{1}{2},1\right)\mbox{R}(1,1) の像をそれぞれ\mbox{P}_n\mbox{Q}_n\mbox{R}_nとし,f_n=3\overline{\mbox{P}_n\mbox{Q}_n}^2+2\overline{\mbox{Q}_n\mbox{R}_n}^2+2\overline{\mbox{R}_n\mbox{P}_n}^2 とおく.(ここで,\overline{\mbox{CD}} は線分 \mbox{CD} の長さを表す.)f_nab を用いて表せ.

(2) a=1.1b=\dfrac{1}{1.1} であるとして,f_n の値を最小にするような自然数 n を求めよ.

[5] 0 または正の整数の値をとる変数 XY がある.X が整数 nn\geqq 0)の値をとる確率と,Y が整数 nn\geqq 0)の値をとる確率は,ともに p_n であるとする.ここで,\displaystyle\sum_{n=0}^{\infty} p_n=1 である.)

いま,任意の整数 mnm\geqq0n\geqq0)に対して,X=m なる事象と Y=n なる事象は独立であり,また,X+Y=n となる確率は (n+1)p_{n+1} に等しいという.このとき,p_nn=012,……)と \displaystyle\sum_{n=0}^{\infty} np_n の値を求めよ.

[6] xyz 空間において,点 (0,0,0)\mbox{A},点 (8,0,0)\mbox{B},点 (6,2\sqrt{3},0)\mbox{C} とする.点 \mbox{P}\triangle{\mbox{ABC}} の辺上を一周するとき,\mbox{P} を中心とし半径 1 の球が通過する点全体のつくる立体を K とする.

(1) K を平面 z=0 で切った切り口の面積を求めよ.

(2) K の体積を求めよ.

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