[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2019年(平成31年)東京大学-数学(理科)[4]

2019.02.26記

[4] n を1以上の整数とする.

(1) n^2+15n^2+9 の最大公約数 d_n を求めよ.

(2) (n^2+1)(5n^2+9) は整数の2乗にならないことを示せ.

2019.02.26記

[解答]
(1) ユークリッドの互除法により n^2+14 の最大公約数が d_n であり,n が奇数のときは d_n=2n が偶数のときはd_n=1 となる.

(2) n が偶数のときは d_n=1 だから n^2+15n^2+9 の両方が平方数でないといけないが n^2+1 は平方数ではない.

n が奇数のときは d_n=2だから n^2+15n^2+9 の両方が平方数の2倍でないといけない.このとき n=2m-1 とおくと\dfrac{5n^2+9}{2}=10m(m-1)+7 という奇数が平方数でないといけないが,奇数の平方数を4で割った余りは1でなければならないので,これが平方数になることはない.

以上から(n^2+1)(5n^2+9)が平方数になることはない.

河合塾代々木ゼミナールの、
nが奇数のときはd_n=2だから、n^2+1=2p^2,5n^2+9=2q^2と両方が平方数の2倍でないといけないことと、
(5n^2+9)-(n^2+1)=4(n^2+2)=2(p+q)(p-q)で、左辺は2で丁度2回割り切れ、右辺は2で1回、または3回以上割り切れることから矛盾を導くのは、へぇー、っと思った。

上では 5n^2+9が平方数の2倍とならないことを mod 4 で矛盾を導いたが、河合塾の別解は mod 5 で矛盾を導いていた。

「互いに素は2つの数の積が平方数なら、両方が平方数」ということを念の為に証明している予備校も多かったが、証明しなければいけないのかな?と少し思った。
(採点基準は、一般に非採点に依存するので今回どうだったかはわからない)