[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2021年(令和3年)東京大学-数学(理科)[2]

[2]

複素数 a,b,c に対して整式 f(z)=az^2+bz+c を考える.i虚数単位とする.

(1)\alpha,\beta,\gamma複素数とする.f(0)=\alpha,f(1)=\beta,f(i)=\gamma が成り立つとき,a,b,c をそれぞれ \alpha,\beta,\gamma で表せ.

(2)f(0),f(1),f(i) がいずれも 1 以上 2 以下の実数であるとき,f(2) のとりうる範囲を複素数平面上に図示せよ.

2021.02.25記
(3)は平行六面体を正射影してできる六角形(向い合う辺が平行で長さが等しい六角形)となる.つまり \alpha,\beta,\gamma=1,2 の8通りで計算した複素平面上の8点の凸包が求める答.

[解答]

(1) f(0)=c=\alphaf(1)=a+b+c=\betaf(i)=-a+bi+c=\gamma を解いて
a=-i\alpha+\dfrac{1+i}{2}\beta+\dfrac{-1+i}{2}\gammab=(-1+i)\alpha+\dfrac{1-i}{2}\beta+\dfrac{1-i}{2}\gammac=\alpha

(2) f(2)=4a+2b+c=(-1-2i)\alpha+(3+i)\beta+(-1+i)\gamma である.
(-1-2i)\alpha+(3+i)\beta(1\leqq\alpha,\beta\leqq 2) は 4点 2-i,1-3i,4-2i,5 を頂点とする平行四辺形の周または内部で,
これを (-1+i)\gamma(1\leqq\gamma\leqq 2) だけ平行移動したものが求める図形で,
i,-1-i,-2i,3-i,4+i,3+2i を6頂点とする六角形の周または内部

(図示略)