[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2016年(平成28年)東京大学-数学(理科)[4]

[4] z複素数とする.複素数平面上の3点 {\rm A}(1){\rm B}(z){\rm C}(z^2) が鋭角三角形をなすような z の範囲を求め,図示せよ.

2020.09.26記
鋭角3角形になる条件は
1998年(平成10年)東京大学前期-数学(文科)[2] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
2016年(平成28年)東京大学-数学(文科)[1] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
参照。

複素平面{\rm P}(w) とするとき,三角形1,z,wが鋭角三角形となる必要十分条件0,1,\dfrac{w-1}{z-1}が鋭角三角形となることであり,
複素平面上の3点のなす三角形が鋭角三角形となる条件 - 球面倶楽部 零八式 mark II
を用いると
0\lt \mbox{Re}\Bigl(\dfrac{w-1}{z-1}\Bigr)\lt 1 かつ |(w-1)+(w-z)|\gt |z-1|
である.

w=z^2 として条件を整理すると
0\lt \mbox{Re}(z+1)\lt 1 かつ |2z+1|\gt 1
つまり
-1\lt \mbox{Re}(z)\lt 0 かつ \Bigl|z+\dfrac{1}{2}\Bigr|\gt \dfrac{1}{2}
となる.

2021.03.22記
上記内容を解答としてまとめると

[解答]

複素数平面上の異なる3点 {\rm A}(1){\rm B}(z){\rm C}(z^2) が鋭角三角形をなすことと,これを -1 平行移動して \dfrac{1}{z-1} 倍拡大した3点 {\rm P}(0){\rm Q}(1){\rm R}(z+1) が鋭角三角形をなすことは同値である.

\angle \rm P が鋭角となる条件は 0\lt \mbox{Re}(z+1)
\angle \rm Q が鋭角となる条件は \mbox{Re}(z+1)\lt 1
\angle \rm R が鋭角となる条件は \rm R\rm PQ を直径とする円の外側であるから \Bigl|(z+1)-\dfrac{1}{2}\Bigr|\gt\dfrac{1}{2}
である.

以上から,求める条件は
-1\lt \mbox{Re}(z)\lt 0 かつ \Bigl|z+\dfrac{1}{2}\Bigr|\gt \dfrac{1}{2}
となる.

(図示略)

さらに一歩すすめて,
-112z+1 が鋭角3角形となる条件を考えれば良く,z'=\dfrac{1}{2z+1} とおくと
2016年(平成28年)東京大学-数学(文科)[1] - [別館]球面倶楽部零八式markIISR
の問題になるので,本問の領域を
「原点中心に2倍拡大」「1だけ平行移動」「反転と x軸 に関する折り返し」を続けて行なうことにより,
2016年(平成28年)東京大学-数学(文科)[1]
の領域が得られることになる.