[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2023年(令和5年)東京大学-数学(理科)[3]

2023.11.22記

[3] a を実数とし,座標平面上の点 (0,a) を中心とする半径1の円の周を C とする.

(1) C が,不等式 y\gt x^2 の表す領域に含まれるような a の範囲を求めよ.

(2) a は(1)で求めた範囲にあるとする.C のうち x\geqq0 かつ y\lt a を満たす部分を S とする.S 上の点 \mbox{P} に対し,点 \mbox{P} での C の接線が放物線 y=x^2 によって切り取られてできる線分の長さを L_{\small\mbox{P}} とする. L_{\small\mbox{Q}}=L_{\small\mbox{R}} となる S 上の相異なる2点 \mbox{Q}\mbox{R} が存在するような a の範囲を求めよ.

2023.11.23記

[解答]
(1) C の方程式は y=a\pm\sqrt{1-x^2}-1\leqq x\leqq 1)であるから,-1\leqq x\leqq 1 で常に a\gt x^2+\sqrt{1-x^2} をみたす a の範囲を求めれば良い.ここで x=\cos\theta0\leqq \theta\leqq \pi)とおくと
x^2+\sqrt{1-x^2}=cos^2\theta+\sin\theta=-\left(\sin\theta-\dfrac{1}{2}\right)^2+\dfrac{5}{4}
だから,求める a の範囲は a\gt \dfrac{5}{4} となる.

(2) \mbox{P}(\sin\theta,a-\cos\theta)0\leqq\theta\lt\dfrac{\pi}{2})とおける.
\mbox{P} における C の接線は
(\sin\theta)x-(\cos\theta)(y-a)=1
であるから,これと y=x^2 の交点の x 座標を \alpha,\beta とすると,\alpha,\beta
(\sin\theta)x-(\cos\theta)(x^2-a)=1
つまり
(\cos\theta)x^2-(\sin\theta)x+1-a\cos\theta=0
の2解となり,よって
L_{\small\mbox{P}}=\dfrac{1}{\cos^2\theta}(\beta-\alpha)^2=\dfrac{\sin^2\theta-4\cos\theta(1-a\cos\theta)}{cos^4\theta}
となる.ここで u=\dfrac{1}{\cos\theta}u\geqq 1)とおくと
L^2=u^4-4u^3+(4a-1)u^2=:f(u)
となり,これが u\geqq 1極値をもつことが必要十分条件となる.
f'(u)=2u(2u^2-6u+4a-1)
であるから,

(i) a-2(4a-1)\leqq 0,つまり a\geqq\dfrac{11}{8} のとき:
f(u)u\geqq 1 で単調増加となり不適

(ii) a-2(4a-1)\gt 0,つまり \dfrac{5}{4}\lt a\lt\dfrac{11}{8} のとき:
f(u)u=\dfrac{3+\sqrt{11-8a}}{2}\gt 1)で極小となり適する.

以上から求める a の範囲は \dfrac{5}{4}\lt a\lt\dfrac{11}{8} となる.

(1) y=x^2 上の点における法線と y 軸の交点の y 座標はもとの y 座標より \dfrac{1}{2} だけ大きいという有名性質を使うと,y\geqq x^2 に半径1の円板をおとすと,\left(\pm\dfrac{\sqrt{3}}{2},\dfrac{3}{4}\right) で接することが直ちにわかるので,そのときの a=\dfrac{3}{4}+\dfrac{1}{2}=\dfrac{5}{4} よりも大きければ良いことがわかる.