[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2008年(平成20年)京都大学前期-数学(理系甲)[6]

2020.09.04記

[6] 空間内に原点 \rm O を中心とした半径1の球面 S を考え,S上の2点を {\rm A}\Bigl(\dfrac{1}{2},0,\dfrac{\sqrt{3}}{2}\Bigr){\rm B}\Bigl(\dfrac{1}{4},\dfrac{\sqrt{3}}{4},\dfrac{\sqrt{3}}{2}\Bigr) とする.z=\dfrac{\sqrt{3}}{2} で与えられる平面で S を切った切り口の円において,\rm A\rm B を結ぶ弧のうち短い方の長さを l_1 とする.また3点 \rm O\rm A\rm B を通る平面で S を切った切り口の円において,\rm A\rm B を結ぶ弧のうち短い方の長さをとする.このとき l_1>l_2 を証明せよ.

2020.09.04記
球面の測地線は大円に添う劣弧だから当たり前

と書く訳にはいかない.


Sz=\dfrac{\sqrt{3}}{2} による切り口の円の半径は \dfrac{1}{2} で弧の中心角は \dfrac{\pi}{3} だから l_1=\dfrac{\pi}{6}となる.

また,l_2 の弧の中心角は l_2 だから\cos l_2=\dfrac{7}{8}>\dfrac{\sqrt{3}}{2}=\cos l_1 が成立し,l_2\lt l_1 となる.