[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2021年(令和3年)京都大学-数学(文系)[4]

[4]

空間の8点 \rm O(0,0,0)\rm A(1,0,0)\rm B(1,2,0)\rm C(0,2,0)\rm D(0,0,3)\rm E(1,0,3)\rm F(1,2,3)\rm G(0,2,3) を頂点とする直方体 \rm OABC-DEFG を考える.

\rm O,点 \rm F,辺 \rm AE 上の点 \rm P,および辺 \rm CG 上の点\rm Q の4点が同一平面上にあるとする.このとき,四角形 \rm OPFQ の面積 S を最小にするような点 \rm P および点 \rm Q の座標を求めよ.また,そのときの S の値を求めよ.

2021.03.10記

[解答]

直方体の向い合う面は平行であるから,四角形 \rm OPFQ は平行四辺形である.平行四辺形は対角線を互いに2等分するので \rm PQ の中点は\rm OF の中点と 同じ点\Bigl(\dfrac{1}{2},1,\dfrac{3}{2}\Bigr)である.

よって {\rm P}(1,0,p) とおくと {\rm Q}(0,2,3-p) となる.\rm P,Q が辺 \rm AE,辺 \rm CG 上にあることから 0\leqq p\leqq 3 であり,
S^2=|\overrightarrow{\rm OP}|^2|\overrightarrow{\rm OQ}|^2-(\overrightarrow{\rm OP}\cdot\overrightarrow{\rm OQ})^2
=(1+p^2)\{4+(3-p)^2\}-\{p(3-p)\}^2=5p^2-6p+13=5\Bigl(p-\dfrac{3}{5}\Bigr)^2+\dfrac{56}{5}
となるので,p=\dfrac{3}{5},つまり {\rm P}\Bigl(1,0,\dfrac{3}{5}\Bigr){\rm Q}\Bigl(0,2,\dfrac{12}{5}\Bigr) のときに S は最小値 \sqrt{\dfrac{56}{5}}=\dfrac{2\sqrt{70}}{5} をとる.