[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

2023年(令和5年)京都大学-数学(理系)[4]

2023.11.23記

[4] 次の関数 f(x) の最大値と最小値を求めよ.
f(x)=e^{-x^2}+\dfrac{1}{4}x^2+1+\dfrac{1}{ \displaystyle e^{-x^2}+\dfrac{1}{4}x^2+1 }
-1 \leqq x \leqq 1)
ただし, e自然対数の底であり,その値は e=2.71\cdots\cdots である.

2023.11.23記

[解答]
X=g(t)=e^{-t}+\dfrac{1}{4}t+1 とおくと,X0\leqq t\leqq 1 の値域は,
g'(t)=-e^{-t}+\dfrac{1}{4} であるから,g'(t)=0 となる t=\log 4\gt \log e=1g(t) の定義域に入らず,
定義域で g'(t)\lt 0 であるから,単調減少となり,
(1\lt )g(1)=\dfrac{1}{e}+\dfrac{5}{4}\leqq X\leqq g(0)=2
が成立する.

ここで,X+\dfrac{1}{X}X\gt 1 で単調増加であるから,
f(x)t=1,つまり x=\pm 1 で最小値
e^{-1}+\dfrac{5}{4}+\dfrac{1}{e^{-1}+\dfrac{5}{4}}\dfrac{1}{e}+\dfrac{5}{4}+\dfrac{4e}{5e+4}
をとり,f(x)t=0,つまり x=0 で最大値
2+\dfrac{1}{2}=\dfrac{5}{2}
をとる.