[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1935年(昭和10年)東京帝國大學工學部-數學[1]

[1] f(x)=ax^3+bx^2+c ノ表ハス曲線ガ點 (1,1) デ反曲點ヲ有シ,且ツ方程式 f(x)=0 ガ三個ノ實根ヲ有スル為ニハa,b,c ハ如何ナル關係ヲ滿足スベキカ.但シa,b,cハ實數トス.

2019.04.04記
3次方程式f(x)=0が相異なる3つの実根をもつ必要十分条件は「極大値と極小値が存在し,その積が負となる」ことである。

[解答]
変曲点が(1,1)であるからf(x)=a(x-1)^3+3K(x-1)+1と書き直せる。このときb=-3a3a+3K=0-a-3K+1=cであるから,K=-ac=2a+1であり,f(x)=a(x-1)^3-3a(x-1)+1である。
f'(x)=3a(x-1)^2-3a=0からx=02となるのでf(0)f(2)=(2a+1)(1-2a)\lt 0,つまり|\,a\,|\gt\dfrac{1}{2}となる。
よって求める条件は|\,a\,|\gt\dfrac{1}{2}b=-3ac=2a+1