[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1938年(昭和13年)東京帝國大學理學部-數學[1]

2022.07.24記

[1] 次ノ方程式ノ實根ノ箇數ヲ吟味セヨ.
e^x=ax+b
但シa及ビbハ實數トス.

2022.07.24記

[解答]
a\lt 0のとき:f(x)=e^x-(ax+b)は単調増加で
 \displaystyle \lim_{x\to-\infty}f(x)=-\infty \displaystyle \lim_{x\to\infty}f(x)=\infty
であるから,1個

a=0のとき:f(x)=e^x-(ax+b)=e^x-bは単調増加で
 \displaystyle \lim_{x\to-\infty}f(x)=b \displaystyle \lim_{x\to\infty}f(x)=\infty
であるから,b\gt 0のとき1個でb\leqq 0のとき0個

a\gt 0のとき:傾きaの接線の接点は(\log a,a)だから傾きaの接線の方程式は
 y=a(x-\log a)+a=ax+(a-a\log a)
となるので,b\gt a-a\log aのとき2個,b=a-a\log aのとき1個,b\lt a-a\log aのとき0個

となる.