[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1966年(昭和41年)東京大学-数学(理科)[4]

2020.09.29記

[4] x に関する方程式 \dfrac{x}{9}-\sin\dfrac{\pi x}{6}=0 の最大の根に,もっとも近い整数を求めよ.

2022.05.02記

[解答]
x\gt 9 において \dfrac{x}{9}\gt 1\geqq \sin\dfrac{\pi x}{6} であるから解なし.

3\leqq x\leqq 9 において \dfrac{x}{9}\dfrac{1}{3} から 1 と単調に増加し,\sin\dfrac{\pi x}{6}1 から -1 に単調に減少するので,
f(x)=\dfrac{x}{9}-\sin\dfrac{\pi x}{6} は単調増加であり,この範囲にただ1つの根をもつ.これが求める最大の根である.

f(4.5)=\dfrac{1}{2}-\dfrac{\sqrt{2}}{2}\lt 0f(5)=\dfrac{5}{9}-\dfrac{1}{2}=\dfrac{1}{18}\gt 0

であるから,最大の根は4.5と5の間にある.ゆえに求める整数は 5 である.

(3,1)(6,0) の間で \sin\dfrac{\pi x}{6} は上に凸だから,この2点を結ぶ直線 y=-\dfrac{1}{3}x+2y=\dfrac{x}{9} の交点の x 座標である 4.5 よりも \alpha は大きく,x=6 における接線 y=-\dfrac{\pi}{6}(x-6) との交点の x 座標である \dfrac{18\pi}{3\pi+2}=4.949\cdots よりも小さいことがわかる.

もちろん,入試問題としては \sin\dfrac{\pi x}{6} が値として求まる x を代入せざるを得ないので,x として 0.5 の倍数を代入していくのが順当である.