[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1940年(昭和15年)東京帝國大學醫學部醫學科-數學[2]

2022.07.20記

[2] xガ大ナル時ハ\log (x+1)ハ殆ンド\log x+\dfrac{2}{2x+1}ニ等シキコトヲ證明セヨ.

2022.07.24記

[解答]
x が大きいときに
\log(x+1)-\log x=\log\left(1+\dfrac{1}{x}\right)\dfrac{2}{2x+1} がほぼ等しいことを示せば良く,
x=\dfrac{1}{t} とおくと,t が小さいときに
\log(1+t)\dfrac{2t}{2+t} がほぼ等しいことを示せば良い.

ここで
\log(1+t)=t-\dfrac{t^2}{2}+o(t^3)
であり,
\dfrac{2t}{2+t}=t\cdot\dfrac{1}{1+(t/2)}=t\left(1-\dfrac{t}{2}\right)+o(t^2)=t-\dfrac{t^2}{2}+o(t^3)
であるから,
\log(1+t)-\dfrac{2t}{2+t}=o(t^3)
となり,t が小さいときに
\log(1+t)\dfrac{2t}{2+t} がほぼ等しい.