[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1942年(昭和17年)東京帝國大學(春入學)理學部-數學[1]

2020.05.20記

[1] 直交軸ニ關スル楕圓體x^2+y^2+z^2+yz+zx+xy =1xy 面ヘノ正射影ノ面積ヲ索メヨ.

2020.05.20記

[解答]
z についての方程式 z^2+(x+y)z+x^2+y^2+xy-1=0 が実数解をもつような (x,y) の集合が求める正射影であり、その方程式は、\dfrac{3}{4}x^2+\dfrac{1}{2}xy+\dfrac{3}{4}y^2\leqq 1 となる。よってその面積は \sqrt{2}\pi となる。

楕円の面積の計算には
斜めの楕円の面積 - 球面倶楽部 零八式 mark II
を用いたが,導きながら求めても良い.

[別解]
(途中から)
領域 \dfrac{3}{4}x^2+\dfrac{1}{2}xy+\dfrac{3}{4}y^2\leqq 1,つまり領域 \dfrac{(x+y)^2}{2}+\dfrac{(x-y)^2}{4}\leqq 1 の面積は楕円板 \dfrac{X^2}{2}+\dfrac{Y^2}{4}\leqq 1 の面積 2\sqrt{2}\pi\left|\mbox{det}\begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 1 & -1 \end{pmatrix}\right| 分の1倍の \sqrt{2}\pi となる。