[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1943年(昭和18年)東京帝國大學工學部-數學[1]

[1] 抛物線ハ楕圓ノ長軸ノ一端並ニ之ニ近キ焦點ヲ固定シ,長軸ノ長サヲ限リナク増大セシメタルトキノ極限ノ形ナルコトヲ證明セヨ。

2020.03.30記
2焦点が (\pm c,\,0) で、長軸の長さが 2a である点の軌跡が  \dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{a^2-c^2}=1 となることは基本。

長軸の一端 (a,\,0) が原点となるように、この楕円を x 軸方向に -a 平行移動すると  \dfrac{(x+a)^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{a^2-c^2}=1 となる。この楕円は長軸の一端である原点を通り、2焦点が (c-a,\,0)(-c-a,\,0) である。原点に近い焦点は (c-a,\,0) だから、c-a=pとおき、p を固定する。

このとき楕円の方程式は \dfrac{(x+a)^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{a^2-(p+a)^2}=1となる。整理して  y^2=\left(\dfrac{x^2}{a}+2x\right)\left(\dfrac{p^2}{a}+2p\right)となる。よって  a\to\infty で 放物線  y^2=4px となる。