[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1948年(昭和23年)東京大学工学部-数学[1]

2020.04.03記

[1] 直交軸  xy に關して  y^2=\lambda^2(1-x) で表わされる曲線の上の,原点に最も近い点は,  \lambda 0 から増して行くとき,どのような圖形を描くか.

2020.04.20記

[解答]
 y=ax^2a\neq 0) の x=t\neq 0 における法線の方程式は y=-\dfrac{1}{2at}(x-t)+at^2 =-\dfrac{1}{2at}x+at^2+\dfrac{1}{2a} となる。つまり法線と軸との交点の y 座標は \dfrac{1}{2a}だけ増える( a\lt 0 のときは減る).

このことから,

(1) \lambda=0のとき、曲線は x 軸だから原点に最も近い点は原点である。

(2) 0\lt \lambda \leqq\sqrt{2} のとき,原点に最も近い点の x 座標は x=\dfrac{\lambda^2}{2}となり, y^2=2x(1-x) すなわち楕円 \dfrac{\left(x-\dfrac{1}{2}\right)^2}{\left(\dfrac{1}{2}\right)^2}+\dfrac{y^2}{\left(\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right)^2}=1 から原点を除いたもの。

(3) \sqrt{2} \lt \lambdaのとき、原点に最も近い点は (1,\,0) である。

以上から求める図形は楕円 \dfrac{\left(x-\dfrac{1}{2}\right)^2}{\left(\dfrac{1}{2}\right)^2}+\dfrac{y^2}{\left(\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right)^2}=1 全体を表す。

点の動きを表現すると、原点から楕円の上下を x 座標が増加するように動き、(1,\,0)に到達すると、そこに留まりつづける、というようになる。