[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1967年(昭和42年)東京大学-数学(理科)[4]

2020.09.29記

[4] 方程式 x^2-xy+y^2=3 の表わす曲線の略図をえがき,その第1象限にある部分が x 軸,y 軸と囲む図形の面積を求めよ.

2022.05.02記
昔は、x^2-xy+y^2=定数 は45度回転した楕円であることは常識だった.

[解答]
(x,y) を原点中心に\theta 回転した点を
(X,Y)=(x\cos\theta-y\sin\theta,x\sin\theta+y\cos\theta)
とおくと
(x,y)=(X\cos\theta+Y\sin\theta,X\sin\theta-Y\cos\theta)
となるので,x^2-xy+y^2=3 を原点中心に \theta 回転した図形は
(1+\sin\theta\cos\theta)X^2+(1-\sin\theta\cos\theta)Y^2+(\sin^2\theta-\cos^2\theta)XY=3
となる.そこで \theta=-\dfrac{\pi}{4} とすると
\dfrac{X^2}{6}+\dfrac{Y^2}{2}=1
となる.よって楕円\dfrac{x^2}{6}+\dfrac{y^2}{2}=3を原点中心に \theta=\dfrac{\pi}{4} 回転したものが
x^2-xy+y^2=3
である.

求める面積は,楕円\dfrac{x^2}{6}+\dfrac{y^2}{2}\leqq 1-x\leqq y\leqq x の共通部分の面積で,
図形を y 軸方向に\sqrt{3} 倍拡大すると 円x^2+y^2\leqq 6-\sqrt{3}x\leqq y\leqq \sqrt{3}x の共通部分の面積で中心角120度の扇型の面積となり \dfrac{1}{3}\cdot \pi (\sqrt{6})^2=2\pi となる.よって求める面積は \dfrac{2\pi}{\sqrt{3}}=\dfrac{2\sqrt{3}\pi}{3} となる.