[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1949年(昭和24年)東京大学(新制)-数学(解析II)[4]

與えられた直圓錐のなかに含まれていて,それと同じ軸をもつ直圓柱のうちで體積の最大なものを求めよ.

2019.02.26記

解説:新制大学としての第一回目の入試で学部毎の問題ではなくなった。このときは旧制大学の入試も同時に行なわれたようだが情報があまりない。この年から一期校制度が開始されたが、国会審議の遅れから、新制大学の発足は年度を開けてからであり、入試も6月に行なわれたそうな。

与えられた直円錐の底面の半径をrとし、高さをhとする。それに含まれている直円柱の底面の半径をxとし、高さをyとする。
このとき、\dfrac{h}{r}=\dfrac{h-y}{x}つまり、hx+ry=rhが成立する。よって直円柱の体積V=\pi x^2 yについて
\dfrac{hx}{2}+\dfrac{hx}{2}+ry\geqq 3\sqrt[3]{\dfrac{hx}{2}\cdot\dfrac{hx}{2}\cdot ry}
が成立するので、V\leqq \dfrac{4}{27}\pi r^2hが成立する。等号成立は\dfrac{hx}{2}=ry=\dfrac{rh}{3}
つまり底面の半径が直円錐の底面の半径の\dfrac{2}{3}で、高さが直円錐の高さの\dfrac{1}{3}であるような直円柱。