[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1952年(昭和28年)東京大学-数学(幾何)[2]

[2] 半径 Rの定円の周上を,その内側にある半径\dfrac{R}{2} の円がすべらずにころがるとき,小円の周上の一点の軌跡を求めよ.

2020.03.17記

有名問題で、答は直径となる。

定円の中心を\rm Oとする。小円の周上の一点\rm P が定円との接点となる状況において、その接点を\rm Aとし、直径\rm ABを考える。

円がころがって,接点が\rm Qとなったとする。\rm OQ の中点(そのときの小円の中心の位置)を\rm M とすると、そのときの点\rm Pにおいて、定円の弧\rm QAの長さと、小円の弧\rm QP の長さは等しく、円の半径の比が2:1なので、中心角に関して\rm\angle QMP=2\angle QOA が成立する。円周角の定理から、\rm\angle QMP=2\angle QOP であるから,\rm\angle QOA=\angle QOP となり、 \rm O \rm P \rm A は同一直線上にある。つまり、\rm P は直径 \rm AB 上にある。

\rm P は定円の内部にあり、連続的に動き、点\rm A\rm B(点\rm A 以外に点\rm Pが定円の接点となるのは、小円の半径が定円の半径の半分なので、直径の他端 \rm Bだけである)の両方に到達できるので、(端点を含む)直径 \rm AB 全体が求める軌跡である。