[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1965年(昭和40年)東京大学-数学(理科)[4]

2020.09.28記

[4] 右図において\rm ACB は長さ2の線分\rm ABを直径とし,\rm Oを中心とする半円周,\rm P\rm ABに垂直な半径\rm OC 上の動点とする.
k を正の定数とし,線分\rm POk:1に内分する点\rm Qを通って\rm ABに平行な弦を\rm RSとすれば,\rm Pをどこにとったとき四辺形\rm ROSP の面積が最大になるか.

2022.05.01記

[解答]
{\rm Q}(0,y) とおくと {\rm P}(0,(k+1)y) であるから
0\lt y\leqq \dfrac{1}{k+1}
である.
四辺形\rm ROSP の面積は
S(y)=\dfrac{1}{2}\cdot 2\sqrt{1-y^2} \cdot (k+1)y=(k+1)\sqrt{(1-y^2)(y^2)}
となる.

(i) y^2=\dfrac{1}{2} となる y が存在するとき:
0\lt k\leqq\sqrt{2}-1 であり,S(y)y=\dfrac{\sqrt{2}}{2} で最大となる.
このとき \rm P の座標は \left(0,\dfrac{\sqrt{2}(k+1)}{2}\right) である.

(ii) y^2=\dfrac{1}{2} となる y が存在しないとき:
\sqrt{2}-1\lt k であり,S(y)y=\dfrac{1}{k+1} で最大となる.
このとき \rm P の座標は (0,1) である.

よって
0\lt k\leqq\sqrt{2}-1 のとき,\rm OP=\dfrac{\sqrt{2}(k+1)}{2} なる点
\sqrt{2}-1\lt k のとき,\rm P=C