[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1967年(昭和42年)東京大学-数学(文科)[2]

2020.09.29記

[2] 一平面上に3個の半径1の円があり,それぞれ点 {\rm A}(0,0),点 {\rm B}(2\sqrt{3},0){\rm C}(\sqrt{3},3) を中心とする.このとき,次の条件 (i) と (ii) を満たす点 \rm P の存在する範囲を定め,その面積を求めよ。

(i) 点 \rm P は円 \rm A,円 \rm B,円 \rm C のすべての外部にある.

(ii) 点 \rm P から円 \rm A,円 \rm B,円 \rm C に引いた接線の接点をそれぞれ \rm R,S,T とするとき,
\overline{\rm PR}^2+\overline{\rm PS}^2+\overline{\rm PT}^2\lt 36

2022.05.02記

[解答]
{\rm P}(x,y) とする.\overline{\rm PA}^2=\overline{\rm PR}^2+1 などにより,
\overline{\rm PA}^2+\overline{\rm PB}^2+\overline{\rm PC}^2\lt 39
つまり
(x-\sqrt{3})^2+(y-1)^3\lt 9
となる.よって求める領域は \triangle{\rm ABC} の重心 {\rm G}(\sqrt{3},1) を中心とする半径3の円の内部(境界を除く)のうち3つの小円の外部(境界除く)となる.

その面積は 9\pi-3\pi=6\pi

\overline{\rm PA}^2+\overline{\rm PB}^2+\overline{\rm PC}^2
\triangle{\rm ABC} の重心 {\rm G}(\sqrt{3},1) からの位置ベクトルで考えると
|\vec{p}-\vec{a}|^2+|\vec{p}-\vec{b}|^2+|\vec{p}-\vec{c}|^2
=3|\vec{p}|^2+|\vec{a}|^2+|\vec{b}|^2+|\vec{c}|^2<39
となる.今 \rm GA=GB=GC=2 だから
3|\vec{p}|^2+12<39
から
=\vec{p}\cdot\vec{p}<9
が得られる(位置ベクトルの始点は \rm Gであることに注意)