[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1956年(昭和31年)東京大学-数学(一般数学)[3]

2022.02.11記


[3] 右の図は \triangle\rm ABC の投影図で,a,b,c および a′,b′,c′ はそれぞれ頂点 \rm A,B,C の平面図および立面図である.

(i) \triangle \rm ABC の平面と平画面とのなす角 \theta を作図せよ.

(ii) aa′ =p,cc′ =q,b′c′ =r,ab =s として \triangle\rm ABC の面積を p,q,r,s で表せ.
注)平画面とは水平投影図のこと

[圖]

2022.02.11記
平面図はxy平面,立面図はxz平面への正射影と考えれば良い。

[解答]

(i) 三垂線の定理から,平面図において a から bc に下した垂線の足を h とすると,これは \rm A から \rm BC へ下した垂線の足 \rm H の平面図となる.このとき,ah と p が直角をはさむ直角3角形を作図することにより,\theta を作図することができる。よって

1. a から bc に垂線を下しその足を h とする
2. a 中心半径 ah の円を描き,それと直線 ab の交点の1つを h' とする
3. \anglea'h'a=\thetaである.

(ii) x軸は右向き,y軸は下向き,z軸は上向きにとる(左手系)ことにすると,
{\rm A}(s,0,p){\rm B}(0,0,0){\rm C}(r,q,0) となる.

このとき\triangle\rm ABC=\sqrt{p^2q^2+p^2r^2+q^2s^2} となる.

(ii) を座標を使わずに解くならば,
2\triangle{\rm ABC}=\textsf{a'h'}×\textsf{bc}=\sqrt{p^2+\textsf{ah}^2}\times\textsf{bc}=\sqrt{p^2+\left(\dfrac{qs}{\textsf{bc}}\right)^2}\times\textsf{bc}=\sqrt{p^2\textsf{bc}^2+q^2s^2}=\sqrt{p^2(q^2+r^2)+q^2s^2}
とすれば良い.