[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1954年(昭和29年)東京大学-数学(幾何)[2]

[2] 平面上に点 \rm A と,それを通らない直線 g とが与えられている.この平面上に点 \rm P をとり,\rm P から g に下した垂線の足を \rm Q とする.\rm AP:AQ が一定の値をとるような点 \rm P の軌跡は何か.その図をえがけ.

2024.09.22記
離心率による2次曲線の定義は \rm AP:PQ が一定となるものだから,本問とは異なるが,結局は点 \rm P の座標の2次式になるので(縮退する場合もあるが)2次曲線となることがわかる.

[解答]
\rm AP:AQ=k:1\mbox{A}(0,a)a\gt 0),g:y=0 となるように座標を定め,\mbox{P}(X,Y) とおく

このとき \mbox{AP}=\sqrt{X^2+(Y-a)^2}\mbox{AQ}=\sqrt{X^2+a^2} であるから
k^2(X^2+a^2)=X^2+(Y-a)^2
つまり
(1-k^2)X^2+(Y-a)^2=k^2a^2
となる.

(i) 0\lt k\lt 1 のとき:楕円 \dfrac{x^2}{\left(\dfrac{ka}{\sqrt{1-k^2}}\right)^2}+\dfrac{(y-a)^2}{(ka)^2}=1\dfrac{ka}{\sqrt{1-k^2}}\gt ka より横長の楕円,離心率 k

(ii) k=1 のとき:2直線 y=0,2a

(iii) 1\lt k のとき:双曲線 -\dfrac{x^2}{\left(\dfrac{ka}{\sqrt{k^2-1}}\right)^2}+\dfrac{(y-a)^2}{(ka)^2}=1 (上下にある双曲線,離心率 \dfrac{k}{\sqrt{k^2-1}}

(図示略)