[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1956年(昭和31年)東京大学-数学(解析II)[2]

2022.02.10記

[2] 平面上の直交軸に関して,座標がそれぞれ (1,1)(−1,1) である2 点を通る放物線
y =ax^2+bx+ca\lt 0
x 軸が囲む面積の最小値を求めよ.

2022.02.10記

[解答]
条件より y=a(x^2-1)+1 と書け,これと x 軸との交点は \pm\sqrt{\dfrac{a-1}{a}}により,囲む面積は \dfrac{4}{3}\sqrt{\dfrac{(a-1)^3}{a}} となる.

ここで A=\sqrt[3]{-a}(A\gt0)とおくと
\dfrac{(a-1)^3}{a}=\left(A^2+\dfrac{1}{A}\right)^3
である。

AM-GM 不等式より
A^2+\dfrac{1}{A}=A^2+\dfrac{1}{2A}+\dfrac{1}{2A}\geqq 3\sqrt[3]{\dfrac{1}{4}}
であるから,
\dfrac{(a-1)^3}{a}\geqq\dfrac{27}{4}
(等号成立はA^2=\dfrac{1}{2A} より A=\dfrac{1}{\sqrt[3]{2}},つまり a=-\dfrac{1}{2}
となるので,面積の最小値は
\dfrac{4}{3}\sqrt{\dfrac{27}{4}}=2\sqrt{3}
となる.