[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1956年(昭和31年)東京大学-数学(解析I)[2]

2022.02.10記

[2] 2 つの実係数の方程式 x^3−ax−2b=0x^3−bx−2a=0 とがただ 1 つの共通根をもち,どちらもそれ以外に実根をもたないためには,(a,b) を座標にもつ点が平面上のどのような範囲にあることが必要で十分か.その範囲を図で示せ.

2022.02.10記
共通解は連立方程式である.

つまり,x,a,b に関する連立方程式が解をもつような a,b の条件を考える.

[解答]

x^3−ax−2b=0x^3−bx−2a=0 差を考えると (b-a)(x-2)=0 となる.

a=b のとき,2つの方程式は一致するので共通解が1つであることに反する。よって a\neq b であり,x=2 となり,このとき a+b=4 となる.

このとき,2つの3次方程式は
(x-2)(x^2+2x+4-a)=0(x-2)(x^2+2x+a)=0
となるので,この2つの方程式がx=2以外の共通解をもたない条件は 4-a\neq a つまり a\neq 2 であり,2つの3次方程式の残りの解が虚数となる条件は a\lt 3 および 1\lt a であるから,求める条件は
a+b=41\lt a\lt 2,2\lt a\lt 4
となる.

(図示略)