[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1967年(昭和42年)東京大学-数学(文科)[5]

2020.09.29記

[5] だ円 \dfrac{x^2}{a}+ay^2=1a\gt 0)を考える. a がすべての正の実数をとって動くとき,これらのだ円の上にある点全体はどのような範囲にあるか,その範囲を決定せよ.なお,それを図示せよ.

2022.05.02記
両軸が x,y 軸に平行で面積が1の楕円の包絡線は (xy)^2=\dfrac{1}{4} になるというお話.
面積が一定なので,x 軸方向に k 倍したらy 軸方向に 1/k 倍され,この変換で不変な曲線 xy=一定 が包絡線となる.面積が1であるときの接点が (\pm 1/\sqrt{2},\pm 1/\sqrt{2}) だから xy=\pm\dfrac{1}{2} となる.

[解答]
y^2a^2-a+x^2=0 が少なくとも1つの正の解をもつ条件を求めれば良い.

(i) y=0 のとき x\neq 0

(ii) y\neq 0 のとき 1-4x^2y^2\geqq 0

だから,|xy|\leqq\dfrac{1}{2} から原点を除いた領域となる.

包絡線の方程式は x^2+a^2y^2=a と,それを a微分した  2ay^2=1から a を消去すると x^2y^2=1/4 のように得られる.