[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1963年(昭和38年)東京大学-数学(理科)[4]

2022.02.19記

[4] 一辺の長さ a の正四面体 \rm ABCD の辺 \rm AB\rm AC\rm AD の上に \rm A から等距離にそれぞれ点 \rm P,Q,R をとり,\rm P,Q,R から面 \rm BCD に下した垂線の足をそれぞれ {\rm P}'{\rm Q}'{\rm R}' とする.

[zu]

2022.02.19記
1辺の長さ a 正四面体は 1辺の長さ \dfrac{a}{\sqrt{2}} の立方体に埋め込まれることから,その体積は \dfrac{a^3}{6\sqrt{2}} となり,底面積が \dfrac{\sqrt{3}a^2}{4} となることから,高さは \sqrt{\dfrac{2}{3}}a となる.

だけど本問では使わない.任意の三角錐について成り立つ話だからだ.

[解答]
正四面体の体積を V,底面積を S,高さを H とし,正四面体 \rm APQR の高さを h とすると,三角柱の体積は
\left(S\cdot\dfrac{h^2}{H^2}\right)\times(H-h)=\dfrac{S}{H^2}\cdot h^2(H-h)
で表される.

AM-GM 不等式より
\dfrac{h}{2}+\dfrac{h}{2}+(H-h)\geqq 3\sqrt[3]{\dfrac{h^2(H-h)}{4}}
つまり
\dfrac{4H^3}{27} \geqq h^2(H-h)(等号は h=\dfrac{2H}{3}
が得られる.

(1) {\rm AP}=a\cdot\dfrac{h}{H}=\dfrac{2a}{3}

(2) V=\dfrac{1}{3}SHV_0=\dfrac{S}{H^2}\cdot\dfrac{4H^3}{27}=\dfrac{4}{27}SH
であるから
\dfrac{V_0}{V}=\dfrac{4}{9}