[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1965年(昭和40年)東京大学-数学(理科)[2]

2020.09.28記

[2] A,B,Cを3つの山頂とする.Aから見ると,Cは真北より東10°の方向にあって仰角15°であり,Bから見ると,C は真北より西20°の方向にあって仰角30°である.また,BからAを見る仰角は30°である.A,Bの高さがそれぞれ海抜1600 m,1210 mであるとすれば,Cの高さは海抜何メートルか.\sqrt{3}=1.732 として計算し,1 m 未満は四捨五入せよ.


2022.05.01記

[解答]
{\rm C} の高さを 1600+hm とする.

{\rm A}{\rm B}{\rm C} の真下の海抜0m地点を{\rm P}{\rm Q}{\rm R} とすると \angle{\rm PRQ}=30^{\circ} である.

{\rm PQ}=r{\rm QR}=p{\rm RP}=q とおくと余弦定理により
r^2=p^2+q^2-\sqrt{3}pq
となる,

{\rm A} からみた {\rm C} の仰角が 15^{\circ} であるから q\tan 15^{\circ}= h
{\rm B} からみた {\rm C} の仰角が 30^{\circ} であるから p\tan 30^{\circ}= h+390
{\rm B} からみた {\rm A} の仰角が 30^{\circ} であるから r\tan 30^{\circ}= 390
であるから k=\tan 75^{\circ}=\dfrac{1}{\tan 15^{\circ}}=2+\sqrt{3}A=390 とおくと
q= khp=\sqrt{3}(h+A)r= \sqrt{3}A
が成立する.ここで
p-r=\sqrt{3} h
となることに注意すると,
(\sqrt{3}p-q)q=(p-r)(p+r)
から
(3(h+A)-kh) kh=\sqrt{3} h\cdot \sqrt{3}(h+2A)
なり, h\neq 0(∵q\neq 0)から
(2+\sqrt{3})\bigl((1-\sqrt{3})h+3A\bigr)=3(h+2A)
となり,整理して
h=\dfrac{3\sqrt{3}A}{4+\sqrt{3}}=\dfrac{3\sqrt{3}(4-\sqrt{3})A}{13}
=(4\sqrt{3}-3)90=353.52\cdots
よって,Cの高さは海抜1954メートル