[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1966年(昭和41年)東京大学-数学(理科)[3]

2020.09.29記

[3] 平面上に点列
 {\rm P}_0,{\rm P}_1,{\rm P}_2,\cdots,{\rm P}_n,\cdots,
があり, {\rm P}_0 {\rm P}_1の座標はそれぞれ(0,0),(1,0)である.また,任意の自然数 n に対し,線分  {\rm P}_n{\rm P}_{n+1} の長さは  {\rm P}_{n-1} {\rm P}_n の長さの2倍で,半直線  {\rm P}_n{\rm P}_{n+1} が半直線  {\rm P}_{n-1} {\rm P}_n となす角は120°である. {\rm P}_{3n} の座標を求めよ.

[図]

2022.05.02記

[解答]
複素平面で,{\rm P}_k に対応する複素数p_k し,
z=2\left(\cos\dfrac{2\pi}{3}+i\sin\dfrac{2\pi}{3}\right)=-1+\sqrt{3}i
とおくと
p_1=1p_{k+1}-p_k=z^k
となるので
p_k=1+z+\cdots+z^{k-1}=\dfrac{z^k-1}{z-1}
となる.よって
p_{3n}=\dfrac{z^{3n}-1}{z-1}=\dfrac{8^n-1}{-2+\sqrt{3}i}=-\dfrac{(8^n-1)(2+\sqrt{3}i)}{7}
となり,
{\rm P}_{3n}\left(-\dfrac{2(8^n-1)}{7},-\dfrac{\sqrt{3}(8^n-1)}{7}\right)
となる.