[別館]球面倶楽部零八式markIISR

東大入試数学中心。解説なので解答としては不十分。出題年度で並ぶようにしている。大人の解法やうまい解法は極めて主観的に決めている。

1966年(昭和41年)東京大学-数学(理科)[5](新課程)

2020.09.29記

[5](新課程) 半直線\rm OX が,点\rm Oのまわりを毎秒1ラジアンの角速度で回転している.\rm OX上を運動する点\rm Pが,時刻 t 秒において,点\rm Oから e^{2t}\mbox{cm}の距離にあるという.時刻0 秒から 2\pi 秒までの間に,点 \rm P の動く道のりを求めよ.ただし,e自然対数の底である.

2022.05.02記
f(t)=e^{at}\sin btg(t)=e^{at}\cos bt は,a+bi=re^{i\alpha} とおくと
f'(t)=re^{at}\sin(bt+\alpha)g'(t)=re^{at}\cos(bt+\alpha)
となり
\displaystyle\int f(t) dt=\dfrac{1}{r}e^{at}\sin(bt-\alpha)+C\displaystyle\int g(t)dt=\dfrac{1}{r}e^{at}\cos(bt-\alpha)+C
となる(後者は使わないが).

このことから
\sqrt{\bigl(f'(t)\bigr)^2+\bigl(g'(t)\bigr)^2}=re^{at}
であることがわかる.

[解答]
\rm O を原点とし,t=0 のときの半直線 \rm OXx 軸正の向きとなるように座標をおく.

このとき,{\rm P}(e^{2t}\cos t,e^{2t}\sin t)=:(f(t),g(t)) となるので
\sqrt{\bigl(f'(t)\bigr)^2+\bigl(g'(t)\bigr)^2}=\sqrt{2^2+1^2}e^{2t}=\sqrt{5}e^{2t}
となる.よって求める道のりは
\displaystyle\int_0^{2\pi} \sqrt{5}e^{2t}dt=\dfrac{\sqrt{5}(e^{4\pi}-1)}{2}cm